思い出の夏

思い出の夏

眩しく青い空の下

おどけたステップ悪ふざけ

馬鹿ねと笑って背中はたいた

あの夏の日はもう来ない

優しく白いパラソルの

日陰を取り合う浜の風

波間に漂う木の葉のヨット

あの夏の海に帰りたい

過ぎ去りし記憶

遥かかなた遠ざかりゆく

引き潮に奪われ

遠い夢になった

あなたの思い出

もう二度と瞳に映ることのない

あなたの笑い顔

冷たく黒いふちどりの

フレームの中で微笑んで

携帯電話に残されている

あの夏の声は聞こえない

過ぎ去りし日々

遥か遠く離れていく

ちぎれ雲のように

もう届かない

あなたのぬくもり

もう二度と耳に響くことのない

あなたの笑い声

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メモリー

 メモリー

笑いも涙も悔しさも

すべて忘れず覚えているわ

ほんとうは忘れ去ってしまいたい

小さな記憶の断片までも

嫌になるほど蓄えているの

私だけの蔵の中

 

知恵も知識もプライドも

やがて忘れて泡の藻屑に

ほんとうは忘れたくないことなのに

大切な夢の切れ端も

嘘のように消えてしまうの

私だけの蔵の中

 

全能の宇宙の中で

長い歳月をかけて刻まれてきた

見えないほど小さな私のすべては

蔵の中で腐敗して錆びて風化して

再び長い歳月をかけて

いつしか無に戻ってゆく

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