天国か地獄

一歩ずつ近づいていく、

日々確実に。

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会いたい

拝啓、長らくご無沙汰しています。
昔のことを考えていたら、あなたを思い出しました。
元気で暮らしているのでしょうか。
みなさんお変わりないのでしょうか。
最後に会ったあの日のことが、いまでも心に残っています。
これからも、いつまでも、ずっと友でいれたらいいね、
そう言い合ってお別れしたのに、もう何年も過ぎてしまった。
こうして手紙を書きながら、無性に会いたくなりました。
心が繋がるあなたなら、会わずにいても忘れない、
そうも思っていましたけれど、
気持ちが通じるあなただから、会わずにいるのはよろしくない。
会いたい人には会わなければ。
行けば会える。いつでも会える。
だから明日、会いに行きます。

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とんとん、とんとん

とんとん、とんとん、何の音?
母さん細ねぎきざむ音。
小さい頃から聞き慣れた
出汁から作った味噌汁の
お袋の味に目覚める音。

とんとん、とんとん、何の音?
父さんお疲れ癒す音。
電気仕掛けで揉み解す
椅子などうちでは買えないけれど、
小さな両手で肩叩く音。

とんとん、とんとん、何の音?
何故か仕事が捗る音。
低迷景気に抗って
勝ち得た仕事に汗を流して
とんとん拍子に運ぶ音。

とんとん、とんとん、何の音?
とんとんとんからりと隣組。
戦後の歌など知らないくせに
何故か自然に口に出る
不思議な擬音が気になる歌。

とんとん、とんとん、何の音?
誰かが扉を叩く音。
もしもし隣の者ですが、
名前も知らないお隣さんと
最初の出会いを作る音。

とんとん、とんとん、何の音?
傷んだ暮らしを直す音。
壁のひび割れ、屋根の漏り、
人の綻び直しましょう
家族の絆を深める音。

とんとん、とんとん、何の音?
壊れた町を直す音。
海岸線や町なかに
積み上げられた廃棄物
集めて処理する復興の音。

とんとん、とんとん、何の音?
誰も知らない未知の音。
政治も社会も環境も
嬉しい話は少ないけれど
感謝の姿勢が保てたなら
信じて明るく前向きなら
未来が弾んで近づく音。

momo

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雲の上のダンス

隣室のベッドまではほんの数歩。

母を前から抱きかかえて歩かせる。

ラジオから流れるシュトラウス。

なんやダンスしてるみたいやなあ。

朦朧とした人が感想を奏でる。

あの介護用ベッドはもう家にない。

いまは天からワルツが聴こえる。

なんや雲の上で踊っているみたい。

momo

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願いを叶えたまへ

思えば願いは叶う。必ず叶う。
受け売りだけど、そう信じてる。
今日一日が平穏無事でありますように。
明日も無病息災でありますように。
両手を併せて真摯に願う。
幸せな毎日を過ごせますように。
お金に困りませんように。
地面に頭をすりつけながら、
お願いします、自由をください。
そこをなんとか、怒らないでください。
両手を併せてお願いしながら、
頭をあげるとそこには妻の姿が。


momo

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骨の音を聴く。

指の関節を折り曲げて。

首をぐるぐる廻して。

骨は自分の一部なのに、

まるで他人の顔をしてぽきぽき。

痛みは親指の関節がずれているから。

痺れは首の関節の間が潰れているから。

そりゃぁどんなものだって

五十年も使っていれば多かれ少なかれ。

まぁまだ使えますわと老医師は言う。

 

骨の音がする。

頭の中で。

頭蓋を響かせて伝わる音は、

鼓膜を震わせて届く音とは違うらしい。

外耳から内耳へ到達する声は、

自分のものであって自分のものではない。

頭の中に伝わる声こそが、

ほんとうの自分の声。

 

正直であるか。正義であるか。

感謝してるか。努力してるか。

大人になるにつれて忘れてしまった言葉が、

父や母の声となって聴こえる気がした。

 

骨の音に訊く。

正しく生きているのか。

怠けていないか。

傲慢じゃないか。

誰かを羨んでいないか。

私は大丈夫か。

耳を澄ますと、

骨が答える。

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いいわけ

泣いているの?

- いいえ、目から汗が出ただけよ。

もしかして、恋に破れたのかな?

- ううん、新しい恋がしたくなっただけ。

新しい恋人は見つかった?

- 世界中に候補者がいて、選びきれないの。

あなたこそ、

仕事にあぶれたって聞いたわ。

- そうだね、他の人に譲ってあげたんだ。

なんか大きな手術したのでしょ?

- うん、取り替えてもらって新品になった。

もう、いい歳なんだから、気をつけなくっちゃ。

- もう、怖いものなんてなくなったよ、この歳になれば。

そういえば、

落ち葉って、なんだか可哀想だね。

- そんなことないわよ、やっと自由になれたんだから。

雨だ。神様が泣いてるのかな?

- 違うわ、恵みを与えてくださってるの。

ところで、

天国って本当にあるのかしら?

- 逆立ちしてごらん、さぁ、どっちが天国だい?

悪魔にだまされそうになったよ。

- 上の悪魔? それとも下の悪魔?

近ごろ、誰も信じられなくなってるんだ。

- あら、自分だけでも信じるべきよ?

生きていくのって、難しい。

- 難しく生きているからじゃないの?

息をするのが、苦しい。

- 息を止めると、もっと苦しいよ。

生き急いでいるのかな。

- 急いで生きてもいいじゃない。

詩を書いてるんだって?

- ううん、詩に書かされてるの。

しあわせ?

- たぶん。気のせいだと思うけど。

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音を失った家

目覚めると音がなかった。

いつもなら漬け物を切る包丁や

鍋にふたをする音とともに

脳に染みてくる味噌の香りがするはずなのだが。

もちろんテレビなど点いていないらしい。

たいていは時報を告げる朝の番組が目覚まし代わりになってくれるのだが。

はて、誰もいないのかしら。

少し気持ち悪くなって静かに寝床を離れ、台所に向かう。

そこに妻はいた。

いつも通りに朝餉を作っているようなのだが、不思議と音がしない。

音がないだけで、味噌の香りも漂わないのが奇妙だ。

おはよう、と声をかけようとするのだが、口を開いても声がない。

あう、あう、と何度か試してみてから、声を出すことをあきらめる。

まぁ、静かな朝というのもたまにはよいではないか。

食卓に並べられた茶碗に盛られた飯と、湯気立つ汁碗。

色がない。

音がなくなると、色もなくなるのか。

餌を終えた愛犬が足下にやって来てわんと吠える。

いや吠えるように口を開けたのだが、声はない。

どうなっているのだ。もしや、耳がどうかなったのか。

最近流行の突発性なんとかという病かもしれない。

試しに手を叩くか箸で椀を弾くかして音を試してみようとして止めた。

もし、それで音がしなかったら、と思うと自分の病が発覚する気がして怖くなったのだ。

ずっと背中を見せていた妻が、仕事を終えてようやくこちらに顔を向けた。

表情のない顔。

生気を失った目。

能面のような額。

なにより驚いたのは、妻の顔には口がなかった。

音のない世界。

というよりは会話を失った家。

昨夜、ここでなにが起きたのかを、ようやく思い出していた。

momo

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音のない世界

音のない世界があった。
風に樹々が揺れている。
静かに、何も言わずに。
大きな車が通り過ぎる。
無声映画の列車のように。

犬を連れたご婦人が、
口を開けて話しかける。
はくはくはく、はくはくはく。
言葉にならない言葉が
こぼれ落ちる。
言葉ではない言葉が
地面に転がっていく。
適当に笑顔をつくって、
うなづきながら、
おしゃべりなご婦人をやり過ごす。
白い白い赤い車が、ランプをくるくるさせて通り過ぎる。
風圧が脅しにかかる。
若者に操られた自転車が
私を掠めて追い抜いていく。
影ひとつないアスファルトを、
陽光がしっかりと暖めていたが、
突如、大きな影が光を奪う。
地の上を通り過ぎる大きな黒い影。
瞬間、目の前が真っ白になって、
身体といわず、地面が揺れる。

唐突に現実がやってくる。
ひどく大きな爆裂音が聞こえて、
すべての感覚が消え失せた。

音のない世界がやってきた。

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フィクション

これはフィクションですかと聞かれた。
ええ、フィクションですけど、いけませんか?
訊ねると、
どこからどこまでがフィクションですかと、
また訊いてくる。

すべてフィクションです。
でも、あなたにとって、
フィクションとそうでないものの、
違いはなんなのですか?
訊かれて不意をつかれた気になった。

私はすべてがつくりごとだと思っていた。
だけど、もしかして、もしかしたら?

嘘と思っていたものの中にも
本当があるのかもしれない。

事実と思っていたことの中にも
嘘があるのかもしれない。

そう気がついた途端に、 私には
何が事実で、何がつくりごとか、
わからなくなってしまった。

この世はすべてが妄想なのでは。
夢で見た事柄こそ、ほんとうなのでは。

冷たい床の上に、尻の穴を押し付けながら、
私は天井を見上げる格好で、目を閉じてみる。
何がフィクションで
何がフィクションでなかったのかを
思い出すために。

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