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ミミズ

私はミミズ。
腕も脚も、頭もない。
身体に彫り込まれたいくつもの節を、

伸ばして縮めて、また伸ばして、少しづつ歩んで行く。
私はミミズ。
目も鼻も、耳もない。
土くれだけを食べて生きていく。
掘って掘って、それから掘って、また掘って。
掘って前に進んでいく。
どうしてこんなに掘るんだろう。
掘った先には何があるのだろう。
考えてはいけない。
未来を疑ってはいけない。
掘って進む、それが私。それだけが命。
暗い土壌のその下で、
じめじめが肌に突き刺さる。
目のない目で行き先を問う。
耳のない耳をそばだてる。
生きているのか、
それともとうに死んでいるのか。
声なき声をあげてみる。
親もいない、兄弟もいない、友もいない。

私はミミズ。

雄でもない、雌でもない。

恋人も愛人も情婦もいない。

それでも、やっと見つけた。
渇いた土の上に。
カラカラに干からびて、同類は。

木乃伊になって死んでいる。

この詩を物語にしてみました→ 小さな妄想

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